YAGOPIN雑録

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姫路城

● 100名城攻略記

はじめに

目次(各ページの城の名前の箇所に攻略記へのリンクを張っている。)
攻略記の一覧

1.北海道・東北の城(24城)
2.関東の城(25城)
3.甲信越・北陸の城(28城)
4.東海の城(26城)
5.近畿の城(26城)
6.中国・四国の城(35城)
7.九州・沖縄の城(36城)
スタンプ帳1.日本100名城
スタンプ帳2.続日本100名城

「100名城攻略記」を書き始めるにあたって

7歳のときに描いた松本城の絵
7歳のときに描いた松本城の絵

 最初に私がお城に興味を持ったのは、家族旅行で松本に行った小学2年生のときだった。私が初めて見たお城は松本城だったのである。そのころ、まだ歴史は勉強していなかったが、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の伝記を読んでいたので、安土城、大坂城、江戸城などのことは知っていた。しかし、松本城のことは伝記には出てこなかったし、松本城を建てた石川数正の名前も聞いたことがなかったので、少しがっかりした記憶がある(少し調べれば石川数正が信長、秀吉、家康と関わりのある武将であることが分かったはずだが。)。それでも、黒い壁に、たくさんの破風を付けた天守の独特な外観がよほど印象的だったと見えて、それからしばらくはお城の絵を描いたり、空想のお城の地図を描いたりした。ちなみに、当時、松本城はその黒い壁から「烏城」と呼ばれていたが、いまは歴史的に誤りとされて「烏城」とは呼ばれないそうだ。

 その後、家族旅行や修学旅行で会津若松城、五稜郭、仙台城、名古屋城、大阪城などを訪れ、江戸城跡の皇居東御苑に行ったこともあったと思う。しかし、天守がなかったり、コンクリート製の天守だったりしたせいか、松本城のときほど興味を抱くことはなかった。その後も、城下町に旅行したときは、とりあえず観光のために城に行ってみることにしていたものの、特別に城が好き、というほどでもなかった。

大洲城にて
大洲城にて

 私が再び城に興味を持ったのは、2017年ごろのこと。当時小学3年生だった子どもが、どういうきっかけか城に興味を持ち始め、私が持っていた『城のつくり方図典』(小学館)という本を熱心に読み出したことからである。この本を書いたのは、日本建築史を専門とする三浦正幸教授で、もちろん子ども向けの本ではなかったが、写真などの図版が多く入っていたので、子どもにも楽しめたのかもしれない。どんなことが書いてあったっけと私も再読し、その知識を持って、家族旅行で二条城、大洲城、松山城、丸亀城、白河小峰城、名古屋城、姫路城、弘前城などを回ったことが、私の城への興味に再び火を付けたのである。移り気な子どもの方は、その後は特別に城が好きということもなくなった。ちょうど私が城に興味を持ち始めたのと同じ年代で子どもが城に興味を持ち、そして私と同様、すぐに飽きてしまったことになんとなく因縁を感じる。

 2020年に新型コロナウィルス感染症が流行してからは、手近な江戸城をめぐったり、城に関する本を読んだりしていたが、2021年のあるとき、書店で日本100名城のスタンプ帳を見かけ、つい入手してしまった。日本城郭協会が選定した日本100名城のスタンプラリーのことは以前から知っていたものの、スタンプを集め出すときりがないと思って、これまでは手を出さないでいたのである。予想通り、集め始めると止まらないもので、日本100名城と続日本100名城のうち、茨城県の土浦城を手始めに1年半で既に40以上のスタンプを捺して回った。2017年の段階で始めていれば、もっとあちこちの城のスタンプが集まったのにと今さらながら残念である。そして、せっかく各地の城をめぐっているので、そのときに調べたことを、これから「100名城攻略記」として書き留めておきたい。

 かつての私もそうだったように、城というとまずは「天守閣」で、コンクリート製であっても、歴史的な経緯を踏まえていなくても、とにかく「天守閣」に登って、城下の眺めを楽しむ、というのがお城観光の基本であると思う。最近では建造物を復元する例が多くなっているものの、「天守閣」のない戦国時代の城などは、よほど好きな人でないと積極的に行こうとは思わないのではないだろうか。しかし、実際に戦国時代の戦いを経験してきたのは、「天守閣」のない、空堀や土塁で構築された城であり、そうした実戦的な城を訪れる楽しみもようやくこのごろ分かってきた。また、戦いのなくなった江戸時代の城も、飾りと物置としての役割しかなかった天守より、実際に行政府としての役割を果たしていた御殿などの建物や、多くの人の労力で築かれた巨大な石垣、城下町を含めた縄張りや、その縄張りが現在の都市にどのようにつながっていったか、といったことに今は主たる関心がある。この「100名城攻略記」では、それぞれの城について、築城の経緯、地形・縄張り、天守などの特徴的な建造物、歴代城主、戦いと廃城の経緯、実際に訪れたときのこと、などを多角的に(というか雑多に)書き綴っていきたいと思う。

訪問と攻略

 原則として、天守や本丸など、中核部分まで行った場合、その城を「訪問」したことにする。ただし、本城と詰城がある山城の場合は、本城だけでもいちおう「訪問」として扱う(一乗谷城など)。「訪問」に加えて、スタンプを捺した城については「攻略」したことにする。攻略した城については、この攻略記を書くこととし、過去に攻略した城についても順次追加する。

              
  日本100名城 続日本100名城
未訪問 20 5171
訪 問 33 1548
攻 略 47 3481
攻略記掲載 32 1648

参考文献(各城に共通するもの)

公益財団法人日本城郭協会監修『歴史群像シリーズ 日本100名城と続日本100名城に行こう』2020ワン・パブリッシング
三浦正幸『城のつくり方図典』2005小学館
『別冊歴史読本・事典シリーズ7 日本「廃城」総覧』1990新人物往来社
中井均監修・かみゆ歴史編集部編著『城の攻め方・つくり方』2017宝島社
矢守一彦『都市図の歴史・日本編』1974講談社
奈良文化財研究所『近世城跡の近現代 平成28年度遺跡整備・活用研究集会報告書』2017奈良文化財研究所(https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/21533
八幡和郎『講談社+α文庫 江戸の殿さま全600家』2004講談社
金田章裕『日経プレミアシリーズ467 地形で読む日本』2021日経BP日本経済新聞出版本部

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