YAGOPIN雑録

この町を歩く

京都御所紫宸殿

● 京都一周ぐるり旅・2

紅葉さかりの清水寺

京都模式図

 2003(平成15)年11月30日。まずは国道1号と東大路通の交差点付近にある大谷本廟(西大谷)にお参りする。ここは浄土真宗の開祖・親鸞の墓で、1709(宝永6)年に建てられた拝堂(明著堂)の裏手に遺骨が納められている。ただしここは浄土真宗本願寺派の「大谷本廟(西大谷)」であって、真宗大谷派にも、親鸞の遺骨を納めた「大谷祖廟(東大谷)」があり、他方、大谷派で「大谷本廟」というと、親鸞の御影が納められた東本願寺のことを指すのだそうである。さらに本願寺派では「浄土真宗」と呼ぶが、大谷派は単に「真宗」と呼ぶのが正しいらしい。徳川家康による本願寺の東西分離以降、西本願寺の本願寺派と東本願寺の大谷派は長いこと別々の道を歩んでいるので、いろいろと細かい違いが生じていて紛らわしい。

大谷本廟(西大谷)
大谷本廟(西大谷)
6:00~17:00(3~10月は延長)
浄土真宗本願寺派
紅葉の清水寺
清水寺
300円
6:00~18:00(夏期~18:30)
北法相宗 世界遺産
主なみどころ:本堂(国宝・写真)、三重塔、奥の院、音羽の滝、地主神社(縁結びの神)

 大谷本廟の裏手から墓地の中をずっと上がっていくと、清水寺に着く。清水寺は、778(宝亀9)年、奈良子島寺の延鎮上人が、霊夢に従い音羽の滝のほとりまでやって来て千手観音像をまつったのが始まりという。すなわち平安京ができる前から清水寺はこの地にあったことになる。清水の舞台で有名な本堂を始め、三重塔・奥の院などは寛永年間の再建である。明日から12月だというのに、紅葉はようやく盛りを迎えたところ。奥の院から見ると、本堂が紅い雲の上に浮かんだように見え、その向こうに京都の街並みがぼんやりと見えている。境内はさすがに混雑していて、清水寺の名の起こりである音羽の滝は、滝から流れ落ちる「延命水」を受けようとする参拝客でごった返していた。

 観光バスや自家用車で渋滞している五条坂を下り、東大路通を渡って六道珍皇寺へ。境内右手の閻魔堂には、閻魔大王の像と並んで小野篁(たかむら)の像が立つ。小野篁は平安時代、朝廷の参議を務めながら、閻魔の庁の高官も兼ねていたという人物で、閻魔の庁に赴くときはこの寺にある「冥土通いの井戸」から冥界に入り、嵯峨野福生寺(現在は廃寺)の井戸から現世に戻ってきていたという伝説がある。葬送地・鳥辺野の入口であった六道の辻の碑を南に折れると六波羅蜜寺。付近は平氏が栄華を誇り、鎌倉時代には六波羅探題の置かれた六波羅の地であるが、平氏六波羅第や六波羅探題の正確な位置は分かっていないそうで、今はただ下町っぽい街並みが続くばかりである。

六道珍皇寺
六道珍皇寺
臨済宗建仁寺派
主なみどころ:閻魔大王像、小野篁像
六道の辻六道の辻の碑

(拝観料・拝観時間は変更されている場合がありますので、御注意ください。主なみどころは、作者の独断によるもので、作者が見ていないものは外していますので、参考程度に御覧ください。)

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